企業主導型保育事業を始める理由

2019.04.03

新年度に入り、各施設とも慌ただしく準備に勤しんでおります。

 

さて、当学園も今年度より新たな施設が2か所スタートしました。

一つは「くほんじひらくぼ保育園」(小規模保育事業A型 定員:19名 対象年齢 0歳-2歳)

元々平成4年より、九品寺附属平窪幼稚園園舎内で認可外保育施設として運営しておりましたが、今年度よりいわき市の認可を受け、小規模保育事業A型として再スタートを切りました。

施設も従来使用していた保育室に加え、資料室等の部屋を改修し、新たに乳幼児保育室や調理設備を整えました。幼稚園と小規模保育事業が併設されている施設は、いわき市内では初めてとなります。

同一園舎に幼保施設が併設されることで、先生同士の連携もよりスムーズに取れたり、園児同士の交流等様々なメリットがあります。また、連携施設の九品寺こども園給食室より外部搬入による給食提供も始まりました。

そして、もう一つは「くほんじナーサリー」

(企業主導型保育事業 定員:12名 対象年齢:0-2歳)

「企業主導型保育園」とは、企業が従業員の仕事と子育ての両立支援を目的として設置する認可外保育施設です。保育対象は生後60日以上の0歳児から2歳児のお子さまで、定員の半分は当園の職員のお子さん、残りの半分は保育を必要とする地域のお子さんを受け入れています。

この「企業主導型保育事業」を始めた理由は大きく3つあります。

一つ目は、当学園教職員の福利厚生を充実させることです。

保育士や幼稚園教諭としてキャリアをスタートするのは、大体20-22歳。そこから3年5年と経験を積み、中堅リーダーぐらいになってきたころに結婚や出産を迎え、退職される先生がこの業界には多く存在します。多様な働き方を認めることやお子さんを預けて安心して働ける環境を整えることで、教職員の人生の選択肢を広げることができます。教職員の働き方等を充実させることは、最終的には子どもたちの利益となると考えます。

二つ目は、地域の保育ニーズに応えることです。

くほんじナーサリーは、九品寺こども園(幼保連携型認定こども園)の道を挟んで真向かい位置します。当園の教育・保育に共感いただき、九品寺こども園を志望してくださっても、お預かりできる人数は限られております。残念ながらこども園に入れなかったお子さんをナーサリーの「地域枠」を利用して、お預かりすることができます。もちろん、入れなかったお子さんに限らず、誰でもご利用いただけます。

三つ目は、保育の質の担保です。

子ども子育て支援新制度の一環で始まった企業主導型保育事業ですが、保育事業者以外でも企業が主体的に保育所を運営できるのがこの制度の特徴です。待機児童をスピーディーに解消できるメリットもありますが、一方でいままで保育に携わったことのない企業が参入する危うさもあります。当学園のように、元々保育事業を行っている法人が運営したほうが、利用者や地域にとってもより安心なのではないかと思います。

 

 

新元号「令和」が発表され、新しい時代の幕開けももうすぐです。

気持ちを新たに、新年度もどうぞよろしくお願いいたします。